研究課題/領域番号 |
04301016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
盛山 和夫 東京大学, 文学部, 助教授 (50113577)
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研究分担者 |
都築 一治 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (20180028)
木村 邦博 静岡大学, 人文学部, 助教授 (80202042)
鹿又 伸夫 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (30204598)
志田 基与師 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (90178872)
近藤 博之 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (60135647)
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キーワード | 階層 / 階級 / 社会移動 / 資産格差 / 不公平感 / 不平等 |
研究概要 |
本年度は、9月と3月に開催した研究合宿を中心に共同研究を推進した。また、これらの研究会には、研究分担者以外にも数名の研究者に参加してもらい、研究内容と態勢をさらに強化することができた。 階層研究は今日、種々の課題を抱えているが、中でも最も本質的な課題は新しい理論枠組の設定である。マルクス主義的階級理論と近代化論的階層理論とがともに有効性を失墜した現在、階層現象を記述し説明する新しい枠組が求められている。本研究における個々のサブ・テーマはこの課題に答えることを共通の目的としている。 本年度の研究において明らかになったことの一つは、階層現象におけるコーホートおよび年齢の要因の重要性である。鹿又は、首都圏および北陸における調査データを用いて、世帯年収と資産とが家族周期段階によってU字型に推移していることを示した。これとは別に、移動データの再分析によって、出身階層による出生率の違いが移動データのみならず移動メカニズムに対しても微妙な影響を及ぼしていることも明らかになった。これらによって、階層現象がいわばコーホートごとに現われる側面が強いことが分る。 移動メカニズムについては、メリトクラシー要因、世襲要因、教育機会格差要因を分離したモデルの構築とその含意の探求が進められている。 このほか、経済発展と不平等度との関係に関する数理モデル、社会的不公平感の実証的分析と理論的探求、職業コード化の新方式の探求、さらには、計量モデルとして、共分散構造分析モデルを順序データに適用する方法の問題探求が進められている。
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