研究課題
総合研究(A)
本研究は、本来長年月にわたる調査が必要な研究であり、当該2年間の範囲での成果は、その基礎台帳となる部分を確実に固めるものでなければならない。第一に必要な基礎作業は、室町期以前に成立した作品で、江戸に入ってから版本として刊行された本についての刊行年表の作成である。これについては慶長〜明歴が完成し、万治〜元禄も略年表が作成された。第二の作業は、第一の年表を支えるための資料で、国文学研究資料館所蔵のマイクロフィルムと紙焼写真の刊行年時順一覧である。慶長〜元禄37,000点の一覧を作成した。第三の作業は、古今和歌集、無名抄など作品別の異種刊年の伝本書目作成である。第二作業の一覧と、「国書総目録」「古典籍総合目録」を編成替えをした台帳に、各研究分担者が原本と照合した所見等を加えた。第四の作業は、第三作業の作品別台帳に書写系譜に関する資料と知見とを加える作業である。写本の伝本研究が進んでいない作品が多いため困難を極め、全作品の割合からすれば僅かな量にとどまったが、具体的な研究方法のサンプルをして、勅撰和歌集の千載和歌集・八代集・二十一代集を採りあげて論文とし、今後の全体の研究の方向づけをした。
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