研究分担者 |
北村 雅夫 京都大学, 理学部, 助教授 (70004489)
松井 正典 九州大学, 理学部, 助教授 (90125097)
山中 高光 大阪大学, 教養部, 教授 (30011729)
武田 弘 東京大学, 理学部, 教授 (50011523)
大政 正明 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30092159)
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研究概要 |
本研究では、鉱物を主とする固体物質について、各分野の研究者が各自の持つ特技・手法を用いて、物質のマクロからミクロにわたる物質の組織、構造、物理的性質について、有機的に連絡をとりつつ総合的に研究することを目的とした。特に最近進展してきた対称・結晶群理論や分子軌道法を主とするシミュレーション等の理論的研究も加味し、実験理論両面の融合をはかることに意義がある。平成4年秋に東京で、平成5年に金沢で研究集会を開催し、招待者、分担者の発表討議が行われた。 これら講演要旨等は、別紙「研究成果報告書」にまとめたので、参照されたい。4班の研究グループの主要結果を簡略に記す。 1)マクロ、ミクロ構造。珪酸鉱物のマクロ構造と、水と転位との関係の追求。エコンドライトとS型小惑星の分光スペクトルの類似性を発見した。 2)X線,EXAFS,SIMS等による鉱物のミクロ分析。 SRを用いた超微少物質、結晶の構造解析法が成功した。またラウエ群決定法の新しい方法が見出され、将来性のあるものと信ずる。 3)高温,高圧下での相平衡,構造,物性。 ダイヤモンドの成長形の解析や、マグネシウム珪酸塩鉱物相のE,Fと超水型Bの結晶構造が解析された。酸化ゲルマニウムの圧力誘起がラス化とその転移エンタルピーが測定計算された。トリデマイトの温度に対する逐次相転位に関する構造研究が詳細にだされた。 4)対称に関する理論とMDシミュレーション。 MgSiO_3の温度、圧力による構造変化が計算され、未発見の新相が予測された。結晶群に対する頻度分布調査が進行中である。結晶軌道の概説,問題点が整理され、空間群の表に軌道をとり入れた案が提出された。更に多くの結晶、ガラスの構造解析もあるが省略する。
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