研究課題/領域番号 |
04302024
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田頭 博昭 北海道大学, 工学部, 教授 (10001174)
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研究分担者 |
中村 義春 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (90051763)
林 眞 気体エレクトロニクス研究所(研究担当), 所長 (40024179)
近藤 敬一 阿南工業高等専門学校, 教授 (10043978)
生田 信皓 徳島大学, 工学部, 教授 (30035802)
真壁 利明 慶応大学, 理工学部, 教授 (60095651)
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キーワード | 気体エレクトロニクス / 電子スオーム / イオンスオーム / クーロン相互作用 / 緩和現象 / rf非平衡プラズマ / 電子衝突断面積 |
研究概要 |
本研究はプラズマ応用の基礎であり、それ自身も物理的探求の目的でありつづけてきた電子/イオンスゥオームに関する重要な問題を取り上げ、これを経験の深い研究者のチームを統合的に組織して解決に当たる点にある。 本研究の主要な課題は、スゥオームの過渡/緩和特性とクーロン相互作用の研究で、以下主要な成果を述べる。 1.スゥオームの過渡/緩和特性 電子スゥオームについて、交流電界印加時の特性の解析法が近藤等により提案された。また、生田が提唱するFTI法により、交流電界下の電子スゥオームの電子エネルギー分布の位置/時間分解特性の計算が行なわれ、プロセスプラズマの性質の解析に役立て得ることを示した。真壁は独自のRCTモデルによるICPプラズマのシミュレーションを紹介した。 2.クーロン相互作用 気体中の電子輸送における、電子-電子相互作用が電子デバイスの製作に用いられるプロセスプラズマにおいて重要となっている。田頭は電子スゥオーム中における電子-電子衝突が電子輸送に与える影響をモンテカルロ法によって研究を行なった。電子-電子クーロン相互作用をデバイ長のなかに限り、等価的な運動量移送断面積を定義し、これを電子-中性原子・分子衝突における運動量移行断面積と同様に扱う手法でと、電子間のクーロン相互作用を2電荷間のクーロン力を重ね合わせて表現する、根元的な、しかし仮定のない方法を用いて計算した。その結果、電子エネルギー分布の球対称部分(F_0;ルジャンドル展開の第1項)は、上記二つの方法でほぼ同様な値を与えるが、電子スゥオームの平均速度に関係するF_1(ルジャンドル展開の第2項)は異なる値を与える事が明らかにされた。これは、従来の運動量移送断面積を用いた解析が定性的なものであることが示す。 3.その他 中村はCO_2、C_2H_6の、林はHeのそれぞれ電子衝突断面積を明らかにした。橘はプラズマディスプレイセル中の励起分子密度を計った。小川はラムザウアーガス中の電子エネルギー分布を検討した。
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