研究課題/領域番号 |
04302063
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
桐谷 道雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (70033826)
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研究分担者 |
吉田 直亮 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00127317)
木下 智見 九州大学, 工学部, 教授 (50037917)
下村 義治 広島大学, 工学部, 教授 (40033831)
平田 光兒 大阪大学, 教養部, 教授 (00029638)
義家 敏正 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20124844)
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キーワード | 核融合炉 / 原子炉照射 / 核融合中性子照射 / 照射相関 / 照射損傷 / カスケード損傷 / 電子照射 / イオン照射 |
研究概要 |
本研究は、核分裂炉および核融合中性子源による固体材料の照射損傷を、それぞれ系統的にその要素過程・素過程に分解して解析・理解することにより、相互の類似と相違を定量的に明かにし、核分裂炉利用による核融合炉材料開発研究に指針を与えるとともに、現在の軽水炉の改良および近い将来の高速増殖炉に必要な材料の開発に対しても基礎的・長期的立場から貢献することを目的として、遂行しつつあるものである。 1.材料試験炉JMTRによる温度交番変動照射:前年度までの温度制御原子炉心照射の経験を生かして、温度交番変動照射を実行した。低温側で発生した高密度の微細点欠陥集合体の高温側での強烈な反応の結果、高低両温度の単純な組み合わせでは到底予測できなかった結果を得、国際的にもその重要さは大きな反響を呼びつつある。 2.中性子照射による欠陥構造蓄積の時系列:原子炉照射と中性子源照射の結果を系統的に総合することにより、欠陥反応過程が照射量の自乗、比例、平方根に比例、飽和の4段階にわたって推移することを明らかにした。 3.多段多分割制御照射の実行:原子炉心照射カプセルを4分割し原子炉の運転中に任意に照射場外に試料を取り出すことの可能な画期的な照射装置を完成させた。その第一回照射が平成6年3月から4月にかけてJMTRにおいて実行される。同一の照射場での照射量を系統的に変化させる世界最初の試みとなる。 4.各個の研究成果としては:(1)点欠陥シンクとの関係からの自由点欠陥量の評価、(2)カスケード局在バイアス効果の立証と解析、(3)イオン照射による単一エネルギーカスケード効果の抽出、(4)ボイド核形成へのガス不純物の役割の実証と解析、(5)中性子照射と電子照射の組み合わせによる極微細欠陥の種類の同定、その他最終次年度での研究の完結の為の準備が着実に進みつつある。
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