研究課題
一般研究(A)
本研究は、学校におけるコンピュータの導入・利用状況、特にコンピュータの利用が教師の指導および児童生徒の学習の中にどう位置付けられているかを見てみると同時に、教授学習過程の中でのコンピュータの使われ方を事例研究的に調査し、教師の指導と児童生徒の学習を促進するためのコンピュータ利用を明かにしようとする研究であった。平成4年度には、第1次調査として学校長、教師、児童・生徒を対象とした質問紙調査および中学生・高校生を対象としてコンピュータの知識テストを実施し、さらに第2次調査では、コンピュータの保有台数、利用教科・科目数、利用の頻度等の多いあるいは高い学校を抽出し、事例研究調査を実施した。本年度は、収集データの分析・整理および補足情報の収集を行ない、報告書としてとりまとめた。現在までのところ、従来までの指導要領との関係もあり、学校におけるコンピュータ利用はまだ限られている。教授学習過程におけるコンピュータ利用の鍵を握る要因としては、教師のコンピュータに対する態度とコンピュータに関する研修経験、学校長等のリーダーシップや学校内の利用促進体制、ソフトウエアの利用可能性などが大きく作用していることが明らかとなった。なお、生徒のコンピュータに関する知識テストの結果では、男子の方が女子よりも成績がよく、高校生では指導要領との関係もあり職業科の生徒の方が普通科の生徒よりも成績が良かった。