研究課題/領域番号 |
04405007
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
矢尾板 英夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (00010249)
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研究分担者 |
山根 康弘 自治医科大学, 医学部, 病院助手 (70220431)
狩野 俊幸 自治医科大学, 医学部, 病院助手 (10204596)
鈴木 正之 自治医科大学, 医学部, 助手 (40171251)
片山 洋 自治医大学, 医学部, 講師 (50142401)
北島 康雄 自治医科大学, 医学部, 助教授 (70111797)
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キーワード | 水疱症 / 細胞骨格 / 接着分子 / 自己免疫 / IgG subclass / 補体 / cell to cell interaction / cell to stroma interaction |
研究概要 |
水疱症をモデルにして表皮ケラチノサイトのcell to cell及びcell to stroma interactionを細胞生物学的に追求する系とその接着分子に対する免疫学的反応を通して病因の追求をする系を平行して行っている。 まず前者の系では、先天性表皮水疱症のDawling-Meara型で、K14のαヘリックス領域の遺伝子にポイント・ミューテーションがあり、これがトノフィラメントの異常な集塊を作り、基底細胞の脆弱性を起しているのではないかという仮説が主流であるが、今年度の研究で、Dawling Meara型には上記とは形態学的に異なるトノフィラメントの異常集塊が存在する型のあることが判明した。この新知見によりケラチンフィラメント遺伝子に新しい領域の異常が検出できる可能性と、更にこれによりケラチンサブクラス間の関係に新しい光を与えることができる。後者の系では、溶血系を使ったin vitroの実験ではIgG_3が最も補体活性化能が高いとされていたのに、水疱症抗体を使った系ではIgG_3が殆どその能力を持たないか、IgG_3水疱症抗体が作られていないことが判明した。これは、今迄の基礎の常識を打ち破る新しい成果である。世界中の皮膚科でIgG subclassを抽出して実験を行える能力を持つ実験室は我々の所だけであることを考えると、この実験を更に進めて精度の高い結果を出す様に努めなければならない。その他症例の蓄積、粘膜、ノイロペプチド、好中球の役割、基底膜のプロテオグリカンと接着因子の関係等が研究されている。更に各種細胞接着因子と細胞骨格の立体構造を共焦点レーザー走査顕微鏡で解析し、その環境(Caシフト、抗体の結合など)による変化を追求しているが、未だ一定の所見が得られていないので、次年度は更にそれを追求したい。但し、患者皮膚の免疫グロブリンの沈着部位等ではback groundも殆どなく、新しい知見も得られつつあるので次年度には具体的成果を報告できると思う。
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