初年度に収集した都道府県別の産業関連データ、各種社会指標データ、文化データなどが、近年の大幅な産業構造の変化のために、そのままのかたちでは利用できず、これらのデータの内容整除と再構成を行なう必要があった。このため当初の計画は遅れを見せ、本年度は日本の地域システム発展地図の作成のためのデータベース作りと、それを利用した発展地図作成の試みを行うにとどまった。 しかし、このようにして試作された発展地図からは、仮説で考えられていたような「地域のロケーションにともなう発展ラグ」が観察されている。 本年度は、以下の研究を行うための、ほとんどの数量的データが整備できた。 (1)より信頼性・妥当性の高い指標の構成につとめ、それを用いて日本国内における発展ラグ効果分析を行った。 (2)国内分析の結果にもとづいて、国際関係モデルを開発(理論モデルの段階)。 (3)経済システム、政治システム、生活システムの各ラグを計量的に抽出可能なモデルの開発。 (4)試験的モデルによるシュミレーション。 (5)国際的規模における地域発展地図の作成と、国際的規模における地域間ラグ効果の分析。
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