研究課題
1.総合的地域文化研究の可能性に関して定期的に催された研究会において、従来の地域研究の弱点が専門分化した各領域間の交流の乏しさにあることが指摘され、各分野の研究者による共同作業の重要性が確認された。2.そのような共同作業を試みるためには、各分野からアプローチが可能なある通時的な現象が適していると考えられ、統一から現在にいたるドイツの社会的、精神的状況が研究対象に選ばれた。3.ドイツ統一問題とその後の状況に関する資料を収集、データバンクとして蓄積する一方で、研究者相互の情報交換も兼ねる意味で、「現代ドイツ研究」と題するゼミナールを共同で開催した。そこでは、学生と共に、統一後のドイツがかかえる諸問題が議論される一方、視聴覚メディアを用いてそれらの情報を伝達する方法も研究された。4.このゼミナールに出席した学生が参加するドイツ研修旅行を1993年3月に予定している。研究分担者のうち二名が引率し、約一ケ月、単なる語学学習にとどまらず、ドイツ社会の実情を伝達するような教育の可能性を実地に検証することになっている。5.1992年11月、ドイツ・ミュンスター大学ディートリッヒ・トレンハルト教授を招き、現代ドイツの外国人問題に関してシンポジウムを開催、政治学、法学、社会学、文学の各方面から総合的討議を試みた。その成果は、日本ドイツ学会機関誌『ドイツ研究』第16号に発表される予定である。
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