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1992 年度 実績報告書

近畿地方およびその周辺部におけるアクセントの調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 04451091
研究機関香川大学

研究代表者

中井 幸比古  香川大学, 教育学部, 助教授 (10221441)

研究分担者 新田 哲夫  広島文教女子大学, 文学部, 講師 (90172725)
キーワードアクセント / 京都府方言 / 福井県方言 / 垂井式アクセント / 中央式アクセント / 式の消失 / 高起式 / 低起式
研究概要

今年度は以下の二つの調査を行った:(1)垂井武と中央式の中間方言の世代別調査、(2)分布に関する調査。そして、調査で得られた資料の分析を進めている段階である。
(1)について。1992年8月中旬から9月上旬にかけて、昨年度までの予備調査によって、中央式と垂井式の中間方言となっていることが判明していた、京都府船井郡和知町中山、同瑞穂町下村において、世代別調査を行った。その結果、中山においては、ほとんどの話者が「句頭では高起・低起の式の対立があるが、句中では対立が失われる」というアクセントであること、但し、話者のうち一名だけが、完全な中央式アクセントであることが判明した。下村においても同様の傾向であるが、中山とは異なり、ほぼ完全な中央式の話者もかなり存在していることが判明した。また、話者によって、ミニマルぺアを提示すると式の対立を比較的明瞭に示すが、ただ単に語や文を読ませると式の対立が曖昧化する傾向が見られた。しかし、世代差については明瞭な結果は得られなかった。
通時的には、「中央式→垂井式」の自律的変化がおこったと想定される。従って、中央式と垂井式の中間方言にあっては、「老年層ほど中央式的、若年層ほど垂井式的」という傾向が見られることが予想された。しかし、実際には明瞭な世代差が見られなかったわけである。中央式と垂井式の接触ーー京都市のアクセントの影響などーーについて、より詳しく検討する必要がある。
(2)分布に関する調査について。福井県若狭地方において、数十地点の調査を行った。しかし、中央式アクセントが予想外に広範囲に分布していることが判明し、そのため、境界を確定するには至らなかった。今回の調査域より北東、敦賀市に近いところを調査する必要がある。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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