研究課題/領域番号 |
04452137
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島 章 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006168)
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研究分担者 |
冨田 幸雄 北海道教育大学, 教育学部・函館分校, 助教授 (00006199)
坪田 誠 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (10197759)
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
小林 陵二 東北大学, 工学部, 教授 (70006170)
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キーワード | 気泡 / キャビテーション / 液体窒素 / 極低温 / クライオスタット / パルスレーザ / 相変化 / 界面不安定 |
研究概要 |
既設のクライオスタット内に組み込まれたキャビテーション気泡発生用の実験容器を用いて、液体窒素中でのレーザビームの諸特性(エネルギー吸収、集光特性、屈析率など)を調べ、単一レーザ・ビームの光エネルギーの制御方法の検討を行った。その結果、絞りと遮光板の組み合わせを用いる二重レンズ・アレイの利用によって、適切な光エネルギーの制御が可能となり、単一ビームの集光による球状気泡の生成に成功した。液体窒素中に生成された半径1mm程度の気泡はほぼ球状に成長し、最大に達した後、その運動は崩壊過程へと移行する。本実験で得られた気泡は、既存の研究によって得られたそれと比較して格段と球状性が高められたものとなっている。したがって、極低温場での気泡運動を明らかにするうえで適切な実験モデルが得られたことになる。高速度写真を詳細に解析すると、気泡の膨張過程は液体慣性支配型のそれより加速度運動が僅か鈍化したものとなっていることが明らかとなったが、これは熱的影響のためであると考えられる。この熱的作用は、気泡の崩壊過程において次第に支配的な影響を及ぼすようになり、その結果、気泡の運動周期の明白な遅れが認められるようになる。気泡は最大半径の4割程度まで収縮してリバウンドしている。さらに、崩壊末期に急速に発達するTaylor型不安定に熱不安定が重畳するため、リバウンド過程の気泡界面は著しく乱れ、気泡表面はやがて分裂することが観察された。このような熱依存性の強い気泡挙動は、沸点近傍の水中における気泡挙動と非常に類似していることが明らかとなった。以上の成果は、本年度の日本機械学会流体工学部門講演会で発表予定である。
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