研究課題/領域番号 |
04452296
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高山 昌照 九州大学, 農学部, 教授 (60038312)
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研究分担者 |
岡部 為信 九州大学, 農学部, 教務員 (60091378)
東 孝寛 九州大学, 農学部, 助手 (00181066)
大坪 政美 九州大学, 農学部, 助教授 (80112316)
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キーワード | 有明粘土 / 軟弱粘土 / 自重圧密 / 二次圧密 / 強度異方性 |
研究概要 |
1.粘土の圧縮特性:液性指数が3以上であるスラリー状粘土の透水係数と体積比、体積比fと圧密圧力pの関係を検討し、両者の間には、それぞれ両対数紙上で直接関係があることを認めた。液性指数0.5〜3.0の練返し粘土の場合、f-logpに直接的関係があり、圧縮指数は、体積比の増加にともない放物線を描いて増加し、一定値に収束する。 2.粘土の凝集・沈降と自重圧密:有明粘土が海水中において凝集・沈降を起こす場合、初期含水比が高いほどフロック形成時間は短く、沈降速度は大である。また、初期含水比が一定の場合、塩濃度が低いほど、海面沈降のフロック形成時間は短くなるが、沈降速度と最終沈降量はほぼ一定である。同一条件下にある圧密沈降においては、沈降速度が遅くなり、最終沈降量は増大する。スラリー状粘土の自重圧密においては、片面排水と両面排水の条件の違いは、圧密速度に影響を与えない。また、圧密係数を一定とし、自重の影響を無視し、粘土層厚の変化を考慮した圧密の場合、圧縮ひずみの増加にともないt_<90>/t_<50>の値は減少するが、スラリー状粘土の場合、この値はひずみの増加にともない大きくなる。 3.粘土の二次圧密:粘土層厚が異なる圧密試験から、二次圧密開始圧密度はほぼ90%であることを認めた。また、一次圧密過程においては、層厚と時間に関する相似則は成立する。 4.粘土の堆積環境とその力学的性質:粘土の堆積環境、その後の環境の変化が粘土の理化学性に与える影響について検討中である。環境変化としては地下水位の変化にともなう乾燥と湿潤、酸化と還元過程が大きな影響因子である。 5.粘土の強度特性:明有粘土においては、表層付近を除いた全粘土層にわたって異方性が存在する。しかし、粘土層の上下部境界付近で強度異方性の程度がやや低下する。この強度異方性が、水路斜面の安定性に与える影響について検討中である。
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