研究課題/領域番号 |
04453098
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内本 喜一朗 京都大学, 工学部, 教授 (90025958)
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研究分担者 |
松原 誠二郎 京都大学, 工学部, 助手 (90190496)
大嶌 幸一郎 京都大学, 工学部, 助教授 (00111922)
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キーワード | 複合反応場 / 希土類金属反応剤 / 高ジアステレオ選択的 / 光学活性アルコール / オキサチアン化合物 / 不斉助剤 / βーケトアミド / カルシウム反応剤 |
研究概要 |
今回、以下に述べる二つの研究実績を収めた。 1.ランタニド反応剤によるオキサチアン誘導体との反応 2‐アシル‐1,3‐オキサチアン化合物とイッテルビウムを中心とする希土類金属反応剤との反応において高ジアステレオ選択的アルキル化を達成し、その選択性発現の機構について検討を加えた。その結果、この高度な立体制御は、希土類の金属の種類にも依存するが、主としてオキサチアン環の立体化学によるものであることが明らかになった。すなわち、希土類金属は、オキサチアン環の二つのヘテロ原子である酸素及び硫黄とカルボニル基の酸素の三個のヘテロ原子に配位し、オキサチアン環の立体化学を認識しながらカルボニル基への付加を制御するという立体制御を行っている。さらにこの基質を用い、希土類金属による炭素ー炭素結合生成反応だけでなく希土類金属を用いたヒドリド環元を行い高立体選択的環元半応を行う手法を開発した。 2.βーケトアミドの立体選択的反応 βーケトアミドに対し有機アルミニウム反応剤あるいは有機亜鉛反応剤を作用させヘテロ原子と金属との相互作用により高ジアステレオ選択的炭素ー炭素結合生成反応を行った。また、塩化マンガンや塩化カルシウムと水素化ホウ素ナトリウムとの組み合わせにより得られる反応剤をβーケトアミドに対し作用させ高ジアステレオ選択的環元反応を行った。 以上述べた様に、金属とヘテロ原子との相互作用を利用し、これらが形成する複合反応場を用いて高立体選択的アルコール誘導体合成反応を開発することができた。
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