研究課題/領域番号 |
04453143
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
絵面 良男 北海道大学, 水産学部, 教授 (80001618)
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研究分担者 |
吉水 守 北海道大学, 水産学部, 助手 (40122915)
田島 研一 北海道大学, 水産学部, 助教授 (80002252)
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キーワード | 海洋細菌 / Alteromonas属 / 溶菌酵素 / 細菌細胞壁 / 細胞壁分解酵素 |
研究概要 |
本年度の研究によって得られた主な成果は次のとおりである。 1. 溶菌活性の高い菌株の選出 既に分離・保存中の12菌株中より、基質菌体を含む平板培地上における溶菌斑の大きさからAlteromonas sp.No8-R株を選出し、供試した。 2. 溶菌酵素産生動態の解明 No8-R株の液体培地における発育と溶菌活性の変動を調べたところ、発育の定常期と減数期とに2つの溶菌活性ピークが出現し、培養条件を変更することによりピークの消長が観察されたことから、本菌株が複数の溶菌酵素を産生していることが示唆された。そこで、Sugaiら(1990)の電気泳動と溶菌反応を組み合せた基質菌体含有PAGE法により本菌株の溶菌酵素産生の変動を調べた。その結果、少くとも4種類の溶菌酵素(分子量の順にa、b、c、d)を検出した。4種類のうち、dは対数期から定常期の培養液中に産生され、定常期にみられる活性ピークの主成分であった。bは定常期までは菌体内にのみ存在し、減数期に入り菌体外に漏出してくる高い活性をもつ酵素であった。aとbは減数期の培養液中にのみ出現した。このように菌の発育段階によって複数の溶菌酵素が消長、変動を示すことは新しい知見である。 3. 溶菌酵素の単離・精製 No8-R株の培養上清からゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー等を組合せて酵素の精製を試みた。得られた酵素は部分精製標品ながら本体は上記のbに相当し、分子量約75000で至適温度40°とでアルカリ側に至適pHをもつ自己融解酵素の一種と推察された。 4. 沿岸海域からの溶菌酵素産生菌の分離 多数の試料から溶菌活性を有する菌の分離を行って総計30菌株を得た。それらはAlteromonas、Vibrio、Alcaligenes、Cytophaga と多岐にわたっていた。
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