研究課題/領域番号 |
04454282
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
前川 喜平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80056613)
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研究分担者 |
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60160595)
松島 宏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70190460)
所 敏治 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40112841)
伊藤 文之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (10057010)
衛藤 義勝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (50056909)
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キーワード | ミエリン形成異常症 / 異染性脳白質変性症 / 遺伝子解析 / ゴーシェ病 / 制限酵素 / PCR法 / スプライスアクセプターサイト |
研究概要 |
ミエリン形成異常症の内、特に本研究では異染性脳白質変性症の日本人に於ける遺伝子解析を行った。又脳変性疾患の一つであるゴーシェ病についても検討を加えた。ゴーシェ病は、日本でも最も頻度の多いリピドーシスであるが、その遺伝子型に関しては十分に明かにされていない。我々は、18例の日本人ゴーシェ病患者の遺伝子型を検討した。まず6433C(C->T変異、444Leu->Pro)の変異NciI siteによる制限酵素で同定した。また我々が日本人症例で新たに見出した3548A(T->A、213Phe->Ile)は、その部位を選択的にPCRで増幅後、再度この変異をもつ座位にVspI siteを生じる様なmsmatch primer にてPCRを行い、変異をもつ場合、制限酵素で消化されることからこの変異の同定を行った。6433Cの変異は、日本ゴーシェ病の全alleles中約40%に見出し、又3548Aの変異は20%に見出した。従って日本人ゴーシェ病の変異allelsはこの2つの変異で60%を占めた。しかしいずれの変異もゴーシェ病のタイプI,II,IIIに見られ、臨床型と遺伝子型での相関は明かでなかった。また欧米人と比較しても特徴は異っている。一方、日本人異染性脳白質変性症患者10例の遺伝子解析では445A(Gly->Asp)の変異は3例でホモザイゴウスに見られ、1例でヘテロが見られ、いずれも乳幼児型であった。欧米人に多い609Aは乳幼児型に1例見出し、又1070A(G->A,245Gly->Arg)1070の変異を若年型の症例のヘテロに見出した。また対立する座位でのexon8での2330T(C->A,Thr409->Ile)の変異が見出され、この変異はスプライスアクセプターサイトとなりmRNAのレベルでは22塩基のdeletionをきたす極めて興味ある変異を見出した。以上日本人MLD患者の遺伝子変異は、欧米人とは異なる変異であり日本人患者では、比較的特有の変異が見出された。
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