研究課題/領域番号 |
04454287
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
林部 一人 神戸大学, 医学部, 講師 (40198875)
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研究分担者 |
堀田 博 神戸大学, 医学部, 教授 (40116249)
市橋 正光 神戸大学, 医学部, 教授 (00030867)
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キーワード | 悪性黒色腫 / 抗腫瘍免疫療法 / ワクチン / 黒色腫関連抗原 / 遺伝子工学 / 組み換え蛋白質 |
研究概要 |
当研究計画の最終年度として、強免疫原性ヒト悪性黒色腫抗原および、そのコードする遺伝子の組織分布をまず確定した。方法はpMAL vectorにおいて発現させた当該遺伝子産物(D-1蛋白抗原)をBalb/cマウスに免疫して獲得した抗D-1多クローン性抗体による免疫組織化学染色と、D-1 cDNAを組み込んだp Bluescriptにより転写させて獲得したcRNAプローブを用いたIn-situ hybridization によった。結果、約40例の悪性黒色腫病巣にD-1 cRNA に対するmRNAの発現を確認した。黒色腫で陰性のものはなかったが、その発現k度合には強弱が認められた。In-situ hybridization に用いた標本の連続切片を用いて行った免疫染色では、mRNAの発現のある細胞に一致して、膜におけるD-1蛋白抗原の発現をみた。ただ、組織切片によっては膜よりも、むしろ細胞質に抗D-1抗体染色陽性所見を強く認めるものもあり、同抗原の膜表面への発現に特定のHLA分子の関与が示唆された。 組み換え蛋白D-1抗原により刺激されたT細胞の細胞障害活性については、Stage IV患者より得た末梢リンパ球および培養黒色腫細胞を用いてAutologousなsystemで行った。Co-cultute後、約14日間は対象コントロール細胞として用いたK562と同程度の殺傷効果しか示さなかったが、28日間培養するとK562に対してより、黒色腫細胞に対する殺傷効果が上まわって観察され、D-1抗原に特異的な細胞群のclonalなexpandionか推定される。また、もう一つの課題であったD-1クローン以外のクローンの核酸配列検索では、相同性検定によりE.coli由来のgeneに強い相同性を認めたため、そのクローンは当該研究に適さないものと判断した。現在、血清中に抗D-1抗体の高力価を示す群と低力価群間でのHLA class Iの比較を行っている。
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