研究概要 |
11q23転座より単離されたMLL遺伝子の検討では、小児急性白血病42例中30例(71%),細胞株8株中1株(13%)に再構成を認め、うち乳児急性白血病では、27例中20例(74%)に再構成を認め、染色体分析結果より高頻度であった。また、主に検討した4種類の制限酵素ではBmHIでの検出率が最も高く,検討した再構成(+)例の27/30(90%)で再構成バンドを認めEcoRI,Xbal,BgIIIでの検出率はそれぞれ21/26(81%),21/27(78%),21/25(84%)であった。t(4;11)7例,t(9;11)6例,t(11;19)4例では全例に、染色体未分析の12例中5例に、11q23異常(一)の15例中1例に再構成が認められた。これまで報告の少ないt(1;11),t(5;11),t(8;11),t(11;15)での再構成が確認された。Etoposideによると思われる二次性白血病5例の検討では,11q23転座が認められた4例でMLL遺伝子の再構成を認めた。RT-PCRを行なったt(4;11),t(9;11),t(11;19)の8例でキメラcDNAの増幅を認め,t(11;19)とt(9;11)の各2例で経時的に微小残存腫瘍の有無を検討できた。t(8;11)とt(4;6)を有する白血病細胞よりRNAを抽出し,cDNAを作成し,cDNAライブラリーよりMLL遺伝子でハイブリダイズしてとった相手遺伝子は6q27の遺伝子であり,t(4;6;11;8)の4Way転座と考えられ、現在4q21,8q24の遺伝子をクローニング中である。
|