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1992 年度 実績報告書

ムチン型糖タンパク質の免疫化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454596
研究機関京都産業大学

研究代表者

山科 郁男  京都産業大学, 工学部, 教授 (70025675)

研究分担者 中田 博  京都産業大学, 工学部, 助教授 (90113141)
キーワードムチン / グリコホリンA / ヒツジ顎下腺ムチン / Tn抗原 / シアリルTn抗原 / ムチンのクラスター構造
研究概要

ヒト結腸がん細胞株LS180を用いて作成した単クローン抗体のうち、Tn抗原を認識する抗体、MLS128のエピトープについてさらに詳細な研究を行なった。
先にヒツジ顎下腺ムチン(OSM)を用いて、Ser^*-Thr^*-Thr^*(^*印はGalNAcの結合を示す)がエピトープであることを見出したが、このようなクラスター構造を2箇所にもつ、ヒト赤血球グリコホリンAを用いてエピトープを調べた。先ず、グリコホリンAが溶血性パストゥーレラ菌の産生するグリコプロテアーゼによって効果的に分解されることを見出した。糖ペプチド断片を調べた結果、グリコホリンAがGalNAc-Ser/Thrの3連および4連のクラスター構造をもつことが分った。従来は3連と6連の構造をもつといわれていた。糖ペプチドをアッセイプレートに固相化し、シアリダーゼとβ-ガラクトシダーゼで消化したのち、MLS128との反応性を調べた。その結果、3連または4連のクラスター構造を含む糖ペプチドのみが抗体と強く反応し、分散して存在するGalNAc-Ser/Thrは事実上抗体と反応しなかった。3連と4連のクラスター構造の抗体との結合性は良く一致した。これらの知見は先にOSMについて得ている知見と良く一致している。
同じ結腸がん細胞を用いて作成した、抗シアリルTn抗体についてはOSMを用いてエピトープの解明を行なっており、すでに、抗Tn抗体同様、Sia-GalNAc-Ser/Thrの何らかのクラスター構造が真のエピトープであることを示唆する結果を得ている。
ムチン型糖タンパク質は、以上のように、抗体を用いて詳細な免疫化学的研究を行なうことにより、従来の知見とは異なる特異な構造をもつことが明らかになった。Tn、シアリルTn構造は癌細胞で強く発現していることも見出したので、それらに対する抗体の応用が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hiroshi Nakada: "Cancer-associated glycoproteins defined by a monoclonal antibody,MLS 128,recognizing the Tn antigen" Biochem.Biophys.Res.Commun.187. 217-224 (1992)

  • [文献書誌] Hiroshi Nakada: "Epitopic structure of Tn glycophorin A for an anti-Tn antibody (MLS 128)" Proc.Natl.Acad.Sci.,USA.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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