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1994 年度 実績報告書

ムチン型糖タンパク質の免疫化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454596
研究機関京都産業大学

研究代表者

山科 郁男  京都産業大学, 工学部, 教授 (70025675)

研究分担者 中田 博  京都産業大学, 工学部, 教授 (90113141)
キーワードムチン型糖タンパク質 / 単クローン抗体 / クラスター構造 / ヒツジ顎下腺ムチン / ロイコシアリン / グリコホリン / Tn抗原 / シアリルTn抗原
研究概要

Tn抗原を発現する、白血病細胞Jurkatの細胞膜成分、ロイコシアリンについて、抗Tn抗体MLS 128に対するエピトープを調べた。その結果、ヒツジ顎下腺ムチン、赤血球グリコホリンの場合と同様、エピトープはGalNAc-Ser/Thrが3つ連続するクラスター構造であることが明らかになった。
シアリルTn抗原についてはエピトープが明確でなかったので、抗シアリルTn抗体であるNLS102を用い、ヒツジ顎下腺ムチン(OSM)についてエピトープの解明を行った。OSMをトリプシン及びサーモリシンを用いて消化し、得られた糖ペプチドをMLS102を固相化したカラムを用いて分画し、さらにHPLCにより細分画することによって多数の均一糖ペプチドを得た。アミノ酸配列を、糖鎖の除去前後で調べることにより糖ペプチドの一次構造を決定した。その結果、MLS102のエピトープはSerまたはThrが4個連続した配列に、Siaα→6GalNAcα-が結合するクラスター構造であることが明らかとなった。なお、シアル酸を除去すると、このクラスターはMLS128のエピトープ、すなわちTn抗原になることも明らかになった。
OSMにも、また、癌細胞LS180から得たムチン型糖タンパク質にも、Tn抗原とシアリルTn抗原が同一ポリペプチド鎖上に共存する。シアリルトランスフェラーゼを用いてTn抗原のシアリルTn抗原への変換を試みたが、Tn抗原はシアル酸を受容しなかった。これらの抗原の共存の機作は不明であるが、共存は偶然の結果ではないことが推定される。
ムチン型糖タンパク質の遺伝子構造については、クローニングのためのプローブ(抗体または合成ヌクレオチド)の作成に努めている段階である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 山科郁男、中田 博他2名: "Tn antigen is expressed on leukosialin from T lymphoid cells" Cancer Research. 54. 85-88 (1994)

  • [文献書誌] 山科郁男、中田 博他8名: "Expression of sialosyl-Tn antigen(monoclonal antibody MLS 102 reactive)in normal tissues and malignant tumors of the digestive tract" Journal of Cancer Research and Clinical Oncology. 120. 325-330 (1994)

  • [文献書誌] 山科郁男、中田 博他2名: "Coexpression of cancer-associated carbohydrate antigens Tn and sialyl Tn" Glycoconjugate Journal. 11. 262-265 (1994)

  • [文献書誌] 山科郁男、中田 博他3名: "Expression of the Tn antigen on a T-lymphoid cell line,SupTl cells" Glycoconjugate Journal. (in press).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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