研究分担者 |
小林 仁 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (80133099)
吉田 陽一 東京大学, 工学部・原子力工学研究施設, 助手 (50210729)
榎本 収志 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (90150010)
中西 弘 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助教授 (00044769)
中島 一久 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助教授 (80164177)
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研究概要 |
航跡場加速は,先行する電子ビームのバンチ(ドライブバンチ)がプラズマ・誘電体などの媒質中に作る電磁波のポテンシャルによって,後に続く電子ビームのバンチ(テストバンチ)を加速するという方法である.したがって2本の電子ビームが加速媒質において合流する加速器システムを必要とする.東京大学工学部原子力工学研究施設のツインラナックはビームエネルギーの異なる2本のライナックからなる.この2本のビームをプラズマ容器において合流させるラインを作り,このラインを用いておよびプラズマ航跡場加速の実験を行なった。 合流ビームラインは3個の偏極電磁石と2組の4重極電磁石,真空ダクト,ターボポンプからなる.2個の電磁石でビームを交差させた.第3の偏極電磁石で2本のビームが交差点以降同一軌道をとるようにした.これはエネルギー分析器に逆の方向からビームを入れると,異なるエネルギーを持つビームが1本のラインに載るという原理による.4重極磁石は収差を吸収するために必要であった. このビームラインを用いた実験で以下の知見を得た. 1ドライブバンチはプラズマの横方向航跡場によって収束した.とくにこの収束効果はプラズマ密度がビーム内電子密度より小さい領域でも有効であることを,初めて実験的に立証した. 2ドライブバンチとテストバンチの時間差に応じて,テストバンチは加速・減速,収束・発散のあいだを振動し,この振動数はプラズマ振動数と一致した.加速減速の振幅は線形理論の予測値とほぼ一致した.
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