研究課題/領域番号 |
04555122
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
楠見 晴重 関西大学, 工学部, 助教授 (70158880)
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研究分担者 |
木村 宏一 (株)機動技研, 研究員
井上 博幸 (株)機動技研, 研究員
西田 一彦 関西大学, 工学部, 教授 (20067581)
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キーワード | 磁気センサー / 永久磁石 / 層別沈下計測 / 沖積粘土層 / 洪積粘土層 / 希土類磁石 / ネガティブフリクション |
研究概要 |
本年度は、主に神戸市六甲アイランドの一区画において、深度約130mの観測孔で、昨年度開発した磁気式沈下計を用いて層別沈下計測を行っている。沈下計測の結果、最も大きな沈下量を示しているのは沖積粘土層で、1ケ月当たり平均約6.6mmの沈下を示している。また、沈下曲線の勾配はほぼ直線的な減少を示していることから、今後もさらに沈下が続くものと考えられる。 洪積粘土層は、1ケ月当たり平均約2.3mmの沈下を示している。またその勾配は、沖積粘土層のそれに比べると緩やかであるが、ほぼ直線的な減少傾向を示していることから、沖積粘土層と同様、今後この傾向は変わらないものと思われる。 概略以上のような沈下観測結果が得られたが、沖積粘土層において、この観測結果と圧密理論解析による圧密曲線とを比較した場合、よく一致した傾向を示しており、本沈下計の有効性が認められたものと考えられる。しかし、さらに詳細に検討を行うために、来年度も引き続き観測を継続する予定である。 沈下素子である永久磁石片の材質については、沈下素子として適当と思われる粉末磁石と希土類磁石を対象として、基礎的な比較実験を行った結果、磁気能率の点で最も優れている希土類磁石が有用と思われるが、磁石本体の強度の点で若干問題があるため、今後更に検討する予定である。 長期的な観測を行う場合、保孔管に作用するネガティブフリクションを軽減する必要があるが、その対策法を考案するため基礎的な実験を行った。その結果、保孔管にグリースを塗布し、その上からビニールチューブで覆った場合と薄いアルミ管で覆った場合が有効であることが認められた。しかし、今後実証実験も含め更に詳細な検討が必要と考えられる。
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