研究課題/領域番号 |
04557024
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西渕 光昭 京都大学, 医学部, 助教授 (50189304)
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研究分担者 |
福島 繁 島津製作所, 技術研究本部中央研究所, 主任研究員
倉園 久生 京都大学, 医学部, 助手 (90186487)
竹田 美文 京都大学, 医学部, 教授 (30029772)
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キーワード | 食中毒原因細菌 / Vero毒素 / コレラ毒素 / PCR法 / DNA増幅法 |
研究概要 |
本年度の研究では、大腸菌のVero毒素遺伝子およびコレラ菌のコレラ毒素遺伝子を検出するためのプライマーセットおよび増幅条件を確立した。このためには、昨年度腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒遺伝子(tdh)およびtdh類似遺伝子(trh)を対象にして有用性を実証したアプローチを適用した。すなわち、実際に多くの分離菌株を用いた試験を繰り返すという実験的方法に基づいた方法によって、対象とする試験菌株中の標的遺伝子最終的にをもれなく検出できるプライマーセットと増幅条件を得た。このPCR法で得られた結果は、ポリヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイゼーション法による標的遺伝子の検出結果と完全に一致した。 一方で、このようにして確立したPCR法を自動化装置に適用できるような増幅断片の検出システムを開発した。前年度には、PCR産物をビオチンで標識して、アフィニティ法によりマイクロタイタートレーの穴にトラップした。これを非アイソトープ(アルカリフォスファターゼ)標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いて検出した。この方法は、数コピーの標的遺伝子を所要時間45分で検出できるという特徴を持っていた。今年度はこの方法をより簡便にするために、改良を加えた。すなわち非アイソトープ(西洋ワサビペルオキシダーゼ)標識したオリゴヌクレオチドプローブ検出する系としてテトラメチルベンジンと過酸化水素を基質として用いる比色法で酵素活性を測定した。この方法をマイクロプレートによるコレラ毒素遺伝子の検出に適用し、有用性を実証した。35サイクルのPCRを行った後、易熱性エンテロトキシンを産生する大腸菌との交差反応もなく、目的遺伝子が検出できた。所要時間はやはり45分であった。
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