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1992 年度 実績報告書

江戸時代方言資料の調査とその収集

研究課題

研究課題/領域番号 04610254
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 武義  東北大学, 教養部, 教授 (80006428)

キーワード渡辺予斎 / 越後新発田藩 / 崎門学派 / 東西方言の堺界地帯 / ズーズー弁 / 方言の歴史 / 講義録の文体
研究概要

すでに『方言に生きる古語』(昭和63.8 南雲堂)の中で越後新発田藩儒臣渡辺予斎の講義録に新発田地方の方言、とくにズーズー弁が残されていることを指摘した。これは、江戸時代の生きた方言資料として他に類例が稀である点で、着過できないもので、しかも、新発田藩は、東西方言の堺界地方の堺界地帯に位置しているため、東西方言の比較研究も可能なのである。このような事情のために、渡辺予斎の講義録関係の資料を徹底的に収集することにした。東北大学図書館蔵関係資料、新発田市立図書館の蔵書、その他の図書館、文庫をすべて調査できたが、このほか、新発田市の郷土史家の情報を得て、予斎関係の資料の所在をかなりつきとめることができた。とくに、崎門学派は、師の講義を記録することに特徴があるとともに、講義録の文体に師の口吻を忠実に写し取とることを眼目としているのである。崎門学派の処点は、新発田藩だけでなく、福井の小浜藩も該当する。この藩の儒臣たちの資料を調査したが、小浜藩は、関西圏であり、そこに参集した崎門学派の儒学者は、関西系の者が多いため、当時、上方語が中央語として、おとろえつつあったが、その上方語に依拠している。ここでは、便宣的に関西系学者の調査は、はずして、残されている方言資料の少ない東国方言地域の学者の資料を中心にすえた。本年度は、東国方言の中でも、新発田地方という東西方言の境界地帯で、しかもズーズー弁地帯を扱ったが、明年度は、関東地方の儒学者も考察の対象に入れる予定である。とくに、崎門派には、江戸だけでなく、上総、館林、土浦出身の者が多いため、かなりの東国方言の実態が判明すると予想している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐藤 武義: "江戸時代末期の方言資料" 国語論究. 4. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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