研究概要 |
本研究は平成4年,5年度の2年間を目止に研究が実施されるものでこの報告書は平成4年度の研究成果の概要をまとめ報告するものである。研究は毎週会合をもち密接な連絡をとりながら行われた。 2要因2水準の要因実験を反復する実験に対して, (1)観測値の配置がSplit Plot Design,(2)観測値がRepeated Observationのときの2つの場合 を考え,これらに対応する3通りの一般線形モデルについて統計的仮説検定問題に対して結果を得た.こゝではモデルの誤差項の共分散の構造がそれぞれの場合に対応したパターンを持ち,このパターンに適合する仮説検定の手法を開発したのである.この結果は推定問題に関連しており、多重比較を同時信頼区間の形で成果を得た。この成果の発表は,明星大学研究紀要に受理され4月には出版される予定である。こゝでは未知パラメーターの指定された複数個の結形結合に対する同時の区間推定が,共分散行列の各構造パターンのもとに取扱われた。 多変量母集団から抽出された無作爲標本におけるステューデント化範囲は任意の2点間のステューデント化された一般化距離の最大値Rmaxとして定義される。母集団分布が正規分布であるとき,Rmaxの標本分布そのものを理論的に導びくのは甚だしく困難である。Rmaxはk個の正規母集団の平均ベクトルの有限個の多重比較を同時信頼区間の形で行うとき必要な統計量であるので、上方パーセント点の近似値を求める方法を、Rmaxに関する分布の右裾の確率を漸近展開に基づいて近似し,修正2次近似法を用いる公式を導びいて提案している。この近似法の精度を大規模なシミュレーションにより検討し,かつ近似法が有効であるパラメーターの範囲も定めた。さらにRmaxの分布についても,いくつかの場合に対して,シミュレーションにより求めている。
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