研究課題
到るところ微分不可能な連続関数のくり返し写像による力学系のカオスについての研究は、高木関数T(χ)の定数倍aT(χ)について行ったが、かなり特殊なaの値についての結果が求められた。しかし、そこでは周期軌道になっていてカオスが発生していない。したがって、このテーマについては未だ研究成果をまとめるところまで行っていず、さらに研究をつづける必要がある。研究発表できたものは、高木関数を1次元ランダム・ウォークと関連させて考察することによって、高木関数のある意味での自己相似性を明らかにしたものである。この視点からの高木関数の研究により、レベル集合他、未だわかっていない高木関数についてのフラクタル的性質がわかる可能性がある。図書(物理の長島弘幸との共著)として発表することができたものには、いくつかの1次元カオスについての新しい結果が含まれている。それらは、(1)テント写像との類似物にたいする周期軌道の研究(2)リ・ヨークのカオスの観測可能性についての研究(3)カオスの窓の研究などである。研究発表(予定)中の二つは、研究分担者の芥川他による、幾何学におけるある種の写像の研究についてのものである。
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