研究課題/領域番号 |
04640296
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 義和 京都大学, 理学部, 助手 (70199397)
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研究分担者 |
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
玉垣 良三 京都大学, 理学部, 教授 (30027338)
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キーワード | クォーク模型 / ハイペロン核子相互作用 / P波バリオン |
研究概要 |
この研究の目的は、QCDの特徴を具現した低エネルギー有効模型である構成子クォーク模型を用いて従来行われてきた核子と核力の研究を、核子の励起状態やストレィンジネスを含む系にまで拡張する事であるが、その第一歩として、本年度はqq^-励起を考慮したP-波バリオンの中間子崩壊幅とエネルギーシフトの研究が大きく進展した。特に、長い間未解決であった、P-波バリオンのエネルギースペクトルにはFermi-Breit相互作用から当然存在すると考えられるスピン軌道力が存在しない様に見えるという、いわゆる“missing LS"の問題は、P-波バリオンをバリオン-メソン連続状態に埋め込まれた共鳴状態として正しく記述する事により、qq^-励起によるエネルギー・シフトのLS的効果との大きなキャンセレーションの結果として説明し得る事が示された。ここで得られた知見は、S-波バリオンのバリオン・メソン結合のSU_6代数による見通しよい取扱いや、(3q)-(3q)ポテンシャルの非中心力部分におけるフレィバー対称性の破れの効果を調ベるための基礎となる。一方、S-波バリオンの相互作用であるハイペロン-核子相互作用の研究の面では、まず、最も重要な(3q)-(3q)共鳴群模型における相互作用の特徴が、フレィバー対称性の破れを無視したレベルで明らかになった段階である。それによると、核子-核子相互作用には存在しなかったフレィバー対称性のチャンネルにおける新しい特徴が見えており、現在Nijmegenポテンシャル等の現象論的ポテンシャルとの対比が進められている。
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