研究課題/領域番号 |
04640303
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
上村 正康 九州大学, 理学部, 助教授 (10037210)
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研究分担者 |
八尋 正信 水産大学校, 教養学科, 助教授
河合 光路 九州大学, 理学部, 教授 (40016027)
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キーワード | 不安定核 / 三体模型 / 組替えチャネル結合法 / リチウム-11核 / ガウス型基底関数 |
研究概要 |
本研究の目的は、弱く結合した安定核の構造と反応の理論的研究に成功を収めた組替えチャネル変分法と離散化チャネル結合法を用いて不安定核(とくに、11Li、8B、8Liなど)の構造と反応を精密に解明することである。また、この過程で、3体問題の新しい解法、基底関数系の開発などをすることも目的とする。 10Liの共鳴状態の新しい実験値をもちいて9Li-n間の相互作用を変更し、あらためて、組替えチャネル変分法で9Li+n+nの三体模型の状態を求めた。一般的な3体系で、かつ、複雑な相互作用にも耐えられる計算法の開発の為に、基底関数系として“Infinitesimally-Separated-Gaussian-Lobe Basis Functions"という基底関数系を5年度に発明したことは大きな成果である。これは、波動関数の角度部分を表す球面調和関数を、横ずれさせたガウス型関数の重ね合わせによって表現するものであり、少数粒子系の計算に強力な方法である。6年度の研究に重用する。不安定核の反応解析には、Glauber理論が有用であることが知られているが、この方法を活用するためのプログラム作成を行い、従来の幾つかの解析を再現した。これを今後の研究に利用する。9Liの内部励起の取扱いについては、effectiveに現れる3体力を定式化し得た。ただし、具体的な数値計算は、その複雑さのために十分進展させ得ていない。
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