研究概要 |
岡山県北部の新見地域・二上山地域・作東地域に分布する白亜紀火成岩類,山口県山口市周辺に分布する白亜紀火成岩類および山陰西部の益田・浜田地域に分布する古第三紀火成岩類について,主に層序・地質構造を検討した。その結果,以下のことが明かとなった。 1).岡山県新見地域には中一古生界を基盤として白亜紀新見火山岩類が広く分布する。これは下位より流紋岩質火砕岩類・安山岩類・流紋岩質溶岩に区分される。文象斑岩類・閃緑斑岩類および岩脈類がこれらを貫く.本地域の火山岩層は,全体としてベースン構造を示すが,流紋岩質溶岩の周辺ではドーム構造を示す。火山岩類と基盤岩類とは高角の正断層で接し,新見火山岩類は貫入岩類とともに東西約20Km,南北約9Kmの規模のバイアス型コールドロンを形成しているものと推定される。 2).岡山県二上山地域および作東町地域における層序・構造の予察的検討結果および重力異常のデータなどから,両地域の火山岩類は貫入岩類とともに陥没構造を形成しているものと推定した。 3),山口県山口市を中心とする地域の白亜紀深成岩類および火山岩類について野外調査を行ったところ,かなり連続性の良いリング岩脈が発見され,半径約10Kmの規模のコールドロンの存在が明らかとなった。 4).山陰西部の古第三紀コールドロンに伴われる深成岩類について野外の産状,岩石の組織,全岩の主成分および微量成分化学組成について検討したところ,石英閃緑岩マグマと花崗岩マグマの間でマグマの混合が行われていることが明らかとなった。
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