研究概要 |
平成4年度の研究テーマの第一目標である、QTFSK変調システムの基本構成装置を完成し、ガウス雑音のみが加わった伝送路における誤り率特性とフェージング伝送路における誤り率特性を明かにした。遅延検波器としてこれまでシフトレジスタを用いた装置を使用していたが、この装置は電力消費の面から不利であった。そこで本年の改良では受信機中間周波数帯における直接位相カウント方式を用いた装置に変更した。このための部品購入には本科学研究費を充当した。設備備品としてハンドヘルドコンピュータを購入したが、この装置は送受信機の基板パターンの設計に用いると共に携帯端末としてのデータ生成/収集機器として用いている。又、これと平行して理論的解析を行い誤り率特性を予測し目標をする誤り率特性を得られることを裏付けた。これらの結果は、国際学会(IEEE ICCS'92,Singapore,Nov.1992)にて発表した。更に、詳細なスペクトル特性などを明かにしたので公表する予定である(IEEE VTC'93,New Jersey,USA,May.1993[accepted])。 一方、送信帯域制限を架したQTFSKヴァージョンの理論解析を行い、利用可能なパラメータを明かにした。伝送路はやはりガウス雑音特性とレイリーフェージング特性を対象とした。衛星移動通信チャネルのチャネル特性は仲上-Rice特性にて記述されるので、最良条件と最悪条件を踏まえておくことにより衛星ー移動チャネルの条件をクリア出来ると結論することは妥当である。これらの結果も国際シンポジューム(ISATA'93RTI/IVHS,Aachen,Germany,Sept.[accepted])にて報告予定である。
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