研究課題/領域番号 |
04670214
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
神原 武 熊本大学, 医学部, 教授 (60040151)
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研究分担者 |
鶴田 潤二 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (20180060)
山本 哲郎 熊本大学, 医学部, 助教授 (60112405)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 単球遊走因子 / 単球遊走阻止因子 / リンパ球遊走因子 / MCP-1 / IL-8 |
研究概要 |
慢性関節リウマチの白血球浸潤機構を明らかにするために、同患者の滑膜組織と関節液の白血球遊走活性と同抑制活性について調べた。 1.単核球遊走因子について 滑膜組織抽出液の単球遊走活性を、ボイデン・チャンバー法とポラリゼーション法にて測定すると、強い活性を見いだした。それはHPLCにて分子量約6万(MCF-60)と、1.2万(MCF-12)の部に2分画された。後者は抗MCP-1抗体で活性が吸収されたので、サイトカインMCP-1であることが判明した。前者は単球特異的で多核球には遊走活性を持ず、SDS電気泳動で分子量4.5万(MCF-45)で、C5と共通抗原性があり、血清中に存在しトランスグルタミナーゼによりクロスリンクされて作られるものと一致した。 2.単球遊走抑制因子について 関節液中に補体C4由来の単球に特異的な遊走抑制因子を見いだし、その分子量及び免疫学的特性から、この因子はC4aと考えた。しかしC4aは1×10^<-14>Mという低濃度でも抑制活性を示すことから、この測定系自体の中に単球遊走活性の増幅機構があると推定した。そこでヒト末梢血単球並びにU937細胞、またはTHP-1細胞をC4aと37Cにて5分間温置すると、上清に強力な単球遊走抑制活性が新たに遊離された。この因子はゲル濾過法で分子量2万(MCIF-20)と推定され、蛋白であろうと考え、又抗C4抗体を用いた吸着実験から、C4aと異なる分子であることを見いだした。 3.Tリンパ球遊走因子について 関節組織抽出液中に見いだされたTリンパ球遊走活性は、HW55Sカラムで2分画され、分子量6.7万相当部分の活性はケモカイネシス活性を示し、分子量1.2万相当分画の活性(TCF-12)は、RAに特異的で、そのほとんどが抗IL-8抗体カラムで吸収されたた。この因子は、OKT4^+、OKT8^+、CD45RA^+、CD45RO_+T細胞いずれにも遊走活性を持ち、T細胞subset特異性は見いだせなかった。
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