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1992 年度 実績報告書

固型腫瘍にたいする単クローン抗体の中性子捕捉療法モデルへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 04670765
研究機関東京大学

研究代表者

藤井 祐三  東京大学, 医科学研究所, 助手 (40143515)

研究分担者 小林 久夫  立教大学, 原子力研究所, 教授 (10062605)
森 茂郎  東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
成内 秀雄  東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
冨田 敏夫  東京大学, 医科学研究所, 講師 (00126129)
三枝 好幸  東京大学, 医科学研究所, 医員
キーワード中性子捕捉療法 / 硼素化合物 / Immunoliposome / 抗CEA単クローン抗体 / 熱中性子照射
研究概要

Carcinoembrionic Antigen(CEA)に対する単クローン抗体を作製し、^<10>B化合物(Cs_2^<10>B_<12>H_<11>SH)を封入したLiposomeを結合させImmunoliposomeを作製し、CEA産生性ヒト膵癌細胞株AsPC-1細胞に対し、中性子捕捉療法(BNCT)を行ない、細胞障害効果をin vitroで認めた。AsPC-1細胞(5×10^4/well)を96穴マイクロプレートに播種し、Gamma Cell40にてγ線を照射し^3H-thymidineを加え^3H-TdRの取り込みを測定した。熱中性子5×10^<12>n/cm^2で生じる3.36Gyのγ線により軽度の細胞障害性を認めた。このためγ線の影響が無視できる熱中性子2×10^<12>n/cm^2以下の量を用いることにした。卵黄Phosphatidyl Choline,Cholesterol,DTP-DPPEを用いて250mM^<10>B化合物を加え、^<10>B封入多層Liposomeを作製した。また、この^<10>B封入Liposomeに抗CEA単クローン抗体を結合させ^<10>B-Immunoliposomeを作製した。1×10^7個のAsPC-1細胞を6〜8週令のヌードマウスの背部に接種し、約8mm大になった時点で^<10>B化合物溶液(0,500,1000,2000ppm)、^<10>B封入Liposome、^<10>B-抗CEA-Immunoliposomeを0.2ml腫瘍内へ局注し立教大学原子炉にて2×10^<12>n/cm^2の熱中性子を照射した。
経時的に観察すると、^<10>B化合物注入群では、腫瘍表面は壊死に陥り腫瘍自体の縮少傾向も認められ、病理学的には壊死部位は繊維組織に置き変わっていた。対照の生食注入群では上記変化は認められなかった。^<10>B化合物溶液注入群では^<10>B濃度依存性に腫瘍増殖抑制効果を認めた。^<10>B封入Liposome注入群において^<10>B化合物溶液(2000ppm)注入群と同等の増殖抑制効果を認めた。さらに^<10>B-Immunoliposome注入群では、^<10>B封入Liposome注入群以上の増殖抑制効果を認めた。なお上記Liposome内に封入された^<10>B化合物の濃度は平均623ppmであった。
^<10>B-Immunoliposomeの腫瘍内局注において、BNCTの腫瘍増殖抑制効果を確認した。Immunoliposomeは効果的な^<10>B原子の腫瘍へのtargeting carrierとして有用と考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 藤井 祐三 他: "中性子捕捉療法によるヌードマウス移植ヒト膵癌の治療" Oncologia. 25. 451-455 (1992)

  • [文献書誌] 柳衛 宏宣 他: "中性子捕捉療法によるヌードマウス移植ヒト膵癌の治療" 第12回腫瘍マーカー研究会記録. (1993)

  • [文献書誌] H.Yanagie et al.: "Growth Inhibition of Human Pancreatic Cancer Grafts in Nude Mice by Boron Neution Capture Therapy" Proceedings of the 5th international symposium on advanced nuclear energy research. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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