研究概要 |
腫瘍移植マウスへの腫瘍内へのIFN-gamma単独投与群(A群)は、経時的に投与することにより早い時期からの腫瘍の壊死化が見られ、コントロール群よりも有意な延命が見られる。しかし、担癌マウスの腹腔マクロファージ投与群(B群)は、コントロール群とほぼ同様の経過をとり、延命についても特に有意差は認められていない。またIFN-gamma誘導活性マクロファージ投与群(C群)も、経時的な投与を行っても期待する程の有意な腫瘍の壊死化や延命効果は見られなかった。そこで、C群はIFN-gamma投与を同時に行うと、A群に近い結果が得られる。つまり、これらの腫瘍傷害作用は、IFN-gammaの直接作用による影響が大きいものと考えられた。一方、各群の7日,14日,21日,28日と経時的に腫瘍の組織標本を見ると、壊死化をおこしていない腫瘍内での単体やリンパ球の反応はHE染色で見る限り、比較的弱く、3群の間には特に大きな所見の違いは見られなかった。さらに凍結標本でのマウスTリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ、MHCクラスIIに対するモノクローナル抗体によるABC法染色で検索中であるが、これに関しても現在のところ、3群間に有意となる明らかな所見の違いは得られていない。これらの結果を踏まえて、現在さらにLPS+IFN-gamma刺激によるマクロファージの活性化を行ない、これを使ったプロトコールでの実験を追加している。またマウスIFN-gammacDNAの腫瘍細胞へのトランスフェクションを現在in vitroで試みており、このin vitroへの実験応用を計画中である。
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