研究概要 |
本研究は,顔の外側に一定の位置関係に置いたコイル(一次側コイル)に,それぞれ90度位相の異なった正弦波電流を流すことにより,そのコイルに生じる磁束の変化を,上顎および下顎の歯牙に接着したコイル(二次側コイル)に電磁誘導される出力信号によって検出し,歯牙の変位量を位相の変化量として測定できる非接触型歯牙変位測定器の開発を目的とした. 本研究では,平成4年度と平成5年度の2年間で試作器の設計ならびに製作を中心に行い,以下に示す研究成果が得られた. 1.歯牙変位測定器の試作は,回路シミュレーションの結果を基に各回路ごとに製作し,ほぼ設計値に近い結果が得られた.また,それぞれの回路を接続し試作器を製作して,独立した各方向における特性が明らかになった. 2.ソフトウェアの開発においては,データ収集および解析の各プログラムが完成した.特に,解析では,三次元スーパーグラフィックスコンピュータを用いて,歯牙の立体イメージ表示による動的シミュレーションができるようになった. 3.試作した測定器は,研究の目的がほぼ達成できており,微小な6自由度の変位を測定するための設計資料となる実験結果が十分得られた. 本研究の成果については,研究成果報告書で詳細に報告した.また,研究成果の一部は,日本補綴歯科学会雑誌で紙上発表を行い,日本補綴歯科学会学術大会および日本ME学会大会でも口頭発表を行った.
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