研究分担者 |
POONSUK Pras ソンクラ王子大学, 天然資源学部, 助教授
KITTIKUN Ara ソンクラ王子大学, 天然資源学部, 助教授
佐々木 健 広島電機大学, 工学部, 教授 (80140565)
山根 恒夫 名古屋大学, 農学部, 教授 (70026102)
山田 靖宙 大阪大学, 工学部, 教授 (00011891)
児玉 徹 東京大学, 農学部, 教授 (30011901)
大井 進 大阪市立大学, 理学部, 教授 (50046950)
西尾 尚道 広島大学, 工学部, 教授 (30034383)
NAPAVARN Nop カセサート大学, 理学部, 助教授
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研究概要 |
パーム油は古くから利用されているが,近年,天然物指向などから食品等への新たな応用が注目されている。本研究では,パーム油の高度利用と,環境を配慮したパーム油廃棄物の有効利用と処理を目的として,生産国の一つであるタイ国の研究者と共同研究を目指すものである。初年度は以下の結果を得た。 1.パーム油の高度利用(1)新規反応性を有するリパーゼを得るため,3級アルコールのエステルあるいはベンゼン環を有するエステルを効率よく分解しうるリパーゼ生産菌を多数分離した。これらの菌株を用いてパーム油に対する反応性,位置特異性を検討した(山田,H-Kittikum)。(2)リパーゼを触媒とした油脂の固相グリセロリシス反応によるモノアシルグリセロール(MAG)合成について研究した。トリオレインとグリセリンからなる反応混合物中の各種リパーゼの安定性とMAG収率との相関について詳細に調べた(山根,H-Kittikum)。 (3)ジカルボン酸などの有用物質生産を行なう目的で,強力なパーム油資化性菌を入手するとともに,培養に先立って生産物の分析のための高速液体クロマトグラフィーの条件設定を行なった。 2.パーム油廃棄物の有効利用と処理(1)セラミック・ポリプロピレン混成担体を充填した完全混合型固定床リアクターによりグルコースの高速メタン発酵を達成し,かつアルカリ度を軽減できた(永井,西尾)。(2)パーム油搾汁滓(PC)と繊維(PF)を爆砕処理(200℃,10分)後,酵素処理し,含有多糖量当たり,爆砕PCで50-53%,爆砕PFで94-98%の加水分解率を得た(大井,Prasertsan)。(3)パーム油廃棄物に含まれる低級脂肪酸(VFA)から5-アミノレブリン酸(ALA)生産を試み,Rhodobacter sphaeroides培養液から約16mMのALAを得た。また,海洋性かつ凝集性を有する多数の光合成細菌を単離しえた(佐々木,Noparatnaraporn)。
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