研究課題
国際学術研究
日本・ドイツの政治行政の比較研究を目的とする本研究の本年度の活動は以下の通りである。1.神戸における研究集会平成5年12月12日、日本側参加者5名を集めて神戸において研究集会を行った。この研究集会では、3月の日・独合同の研究集会において行われる報告について、各人の研究の現状が報告され、報告者以外の参加者も交えて活発な討論が行われた。2.京都におけるコンフェレンス平成6年3月1日から3日の3日間、京都・国際交流会館において、“State and Administration in Germany and in Japan"と題して、日本・ドイツ合同のコンフェレンスを開催した。このコンフェレンスでは、昨年3月にドイツ・ベルリンで行われたコンフェレンスを受け、ドイツ側5名、日本側6名、計12の報告がなされ、活発な討論がなされた。報告は以下の通りである(いずれも、報告時のタイトルは英語)。Gerhard Lehmbruch“The German State and Its Environment:A Devel-opmental Analysis"Michio Muramatsu“Transformation of Japanese Bureaucracy under the Impact of 'Internationalization"Frieder Naschold“Industrial Policy in Germany:Old Issue and New Challenges"Masaru Mabuchi“Financing the Japanese Industries:Industrial Policies of the Financal Ministry and Financial Policies of the Industrial Ministry"Gerhard Lehmbruch“Varieties of the‘Natwork State'?:Elements of a German-Japanese Comparison"Adrienne Heritier“State and Society in German Social Policy"Kuniaki Tanabe“Pluralization and Diversification of Welfare Programs in Japan"Koichiro Agata“Telecommunication Policy in Germany and in Japan"Hellmut Wollmann“Administrative Reform Movements and Developments in Germany"Mitsutoshi Ito“Japanese Administrative Reform in the 1980s"Maria Oppen“Labour Policy in Germany:Regulation of the Age Limits to Paid Workers"Ikuo Kume“Labor Policy in Japan:Labor Policies in the Era of Neo-Consevatism"Lehmbruchの二つ目の報告およびAgata報告を除いて、日独の報告はそれぞれが一報告づつ組み合わされ、両国の国家・行政の現状が比較された。コンフェレンスでは、1)日独双方の政治・行政が、これまでの「制度的遺産」によって強く規定されていること、2)しかし、同時に1970年代以降の国際化・政策の相互依存的状況の下で、両国の政治・行政が緩やかに同じ方向を向きつつあることが確認された。また、政治学・行政学の研究について、方法論をめぐっても議論がなされたことは特筆すべきであろう。3.東京における研究集会京都におけるコンフェレンスに引き続き、東京・早稲田大学両国のペーパーについての枠組みの理解を深めた。この研究集会には、ドイツ側報告者2名、日本側報告者2名のほか、東京におけるドイツ政治の専門家を含む多数の参加者があり、活発な質疑応答がなされた。なお、本コンフェレンスの成果は、英語による出版が検討されている。
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