研究課題/領域番号 |
05208104
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
吉野 一 明治学院大学, 法学部, 教授 (50062162)
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研究分担者 |
廣田 薫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50130943)
加賀山 茂 名古屋大学, 法学部, 教授 (20169379)
松村 良之 北海道大学, 法学部, 教授 (80091502)
山口 高平 静岡大学, 情報学部, 教授 (20174617)
櫻井 成一朗 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (20202088)
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研究期間 (年度) |
1998
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キーワード | エキスパートシステム / 人工知能 / 法律 / 法的知識 / 国際売買法 / 推論システム / 論理プログラミング / 説明機能 |
研究概要 |
本研究は、法的知識構造を解明すること、そしてそれに基づいて法的推論をコンピュータ上に実現する法律エキスパートシステムを開発することを目的とした。領域全体で、(1)法的知識の一般的構造の解明、(2)国際売買契約法の知識構造の解明、(3)国際売買契約法の知識ベースの構築、そして推論機構、インターフェース等のソフトウエアの構築の成果があがった。すなわち、法律専門家の暗黙知の社会学的・認知学的分析がなされ、契約に基づく法律関係の変動を推論する法的知識の演繹構造が解明され、それに基づいて、国連売買条約を事例に適用した場合に下すべき法的判断を推論する法律エキスパートシステムのプロトタイプが論理プログラミングの手法で開発された。開発された基本システムは、インターネットからアクセスし、事件の時間的進展に伴う全てに法律関係の変動を演繹的に推論し、その理由を説明することができる。併せて、曖昧な法律概念に対するファジィ事例推論システム、足りない事実を仮説として生成するアブダクティブ推論システム、法的論争支援システム等の実験システムが作成された。次のような本研究成果の(1)評価、(2)まとめ、および(3)公表・普及がなされた。(1)開発されたシステムを法学教育へ試験的に応用しその法学上の意義が確認された。ハーバード大学、ピッツバーグ大学、インディアナ大学、DEXA98、Jurix98、jurix99、IVR99、CTC6等の国際学会での成果発表・デモンストレーションが行われ、専門法律家による高い評価を得た。(2)英文および邦文の本研究成果報告書、研究成果を要約した単行本『法律人工知能』(創成社)等の公刊。(3)研究成果報告会、国内外各種学会での発表、インターネットでの公開がなされた。発表数は、邦文成果報告書6編、英文成果報告書4編、ジャーナル特集号2号、論文40編以上である。本領域の研究成果をさらに発展させて、(a)法律知識ベースの拡充、(b)法学教育への応用、そして、法的発見の推論のシステム化と法創造の科学の確立へと向かうことが可能となった。
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