(1)高安定度表面リアクタンス測定システムの作製 相対的分解能10-7以上の極めて高い安定度を持つ表面リアクタンス測定システムを構築した。この装置でカバーできる周波数範囲は10-50MHzである。 (2)弱磁場(Hc1以下)領域での磁場侵入長の磁場依存性の研究 上記システムを用いて表面リアクタンス(磁場侵入長)の磁場依存性をY系及びBi系単結晶について測定した。広い温度領域にわたり磁場侵入長は磁場に対してリニアに変化しており、従来のBCS超伝導体で期待される振舞いと異なっており、異方的超伝導状態が高温超伝導体で実現していることを示唆している。 (3)強磁場(混合状態)での表面リアクタンスの研究 同システムを超伝導磁石と組み合わせて用いることにより、混合状態における表面リアクタンスの系統的研究を開始した。とくに、磁場依存性に、従来の単純なフラックスクリープの描像では理解できない側面が観測されており、その詳細は今後の研究により明らかにされるべきものである。 時間的問題から論文発表には至らないものが多かったが、今後ただちに公表できる段階まで研究は進捗している。
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