研究課題/領域番号 |
05228104
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研究機関 | 高エネルギー物理学研究所 |
研究代表者 |
萩原 薫 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (50189461)
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研究分担者 |
栗本 猛 大阪大学, 教養部, 助手 (10195563)
山口 嘉夫 東海大学, 理学部, 教授 (00210378)
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キーワード | 電気双極子能率 / CP非保存 / バリオン生成 / Wボゾン / ヒッグスボゾン / トップクォーク / タウレプトン / B中間子 |
研究概要 |
1.萩原は、重粒子が関与するCP非保存現象に関して次の研究を行った。 (1)Wボソンの電気双極子能率に関連し、ヒッグスボソンとの 互作用をも含めた電弱ゲージ不変性を保つ一般的な高次元相互作用を用いた系統的な解析を行った。CPを破らない相互作用に関しては、量子補正効果を定量的に解析し、CPを破る相互作用に関しては将来のリニアコライダーでのヒッグス生成による観測法を確立した。これらの研究は3編の論文として発表した。 (2)トップクォークに関しては、その対生成に対するQCD高次 効果の研究を完了したので、電弱相互作用による高次効果の解析を遂行中である。 (3)タウレプトンについては、今までのタウレプトン偏極に関す る研究成果をふまえ、高エネルギー物理学研究所の加速器トリスタン等において、その電気双極子能率を計測する可能性を検討している。又、Bファクトリーに於いてB粒子のタウレプトン崩壊によりCP非保存現象を発見する新しい方法を考案し、下記研究会に於いて口頭発表した。 2.山口は、非安定粒子の時間発展に関する厳密なアプローチを確立し、その成果を2編の論文として発表した。 3.栗本は、重クォーク有効理論と軽いハドロンのカイラル模型とを系統的に取り入れた新しい重ハドロン弱崩壊の解析法を開発し論文として発表した。又、Bファクトリーに於けるCP非保存パラメータの検出により新しい物理を探る系統的な方法を考察し、下記研究会に於いて口頭発表した。 4.平成6年3月4日、5日の両日、高エネルギー物理学研究所に於いて「CP非保存とその起源」に関する研究会を開催し、日本全国の研究者の研究成果が発表された。理論家と実験家との協力、そして若手研究者の啓蒙等、重要な成果が得られた。研究会報告を発表する予定。
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