研究課題/領域番号 |
05270104
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 亀代次 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (80144450)
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研究分担者 |
関口 睦夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00037342)
山泉 克 熊本大学, 医学部, 教授 (70107093)
安井 明 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)
内海 博司 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20025646)
松原 謙一 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (20037394)
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キーワード | DNA修復 / 遺伝子クローニング / 色素性乾皮症 / 遺伝子ターゲッティング / モデルマウス / 発がん / DNA結合 / 活性酸素 |
研究概要 |
DNA修復機構を中心とする遺伝情報維持の分子機構を解析する為、1)修復酵素の構造と機能、2)遺伝情報維持の制御機構、3)遺伝情報維持機構の欠損あるいは亢進したモデルマウスの作成と個体形成への影響、の3課題について計画研究班を組織し重点的に推進すると共に、新しい発想や方法で研究に取り組んでいる研究者を公募し、総合的な視点から研究を推進した。代表的な成果を列挙すると、1)ヒトの除去修復に関わる、色素性乾皮症(XP)A、C、G群の原因遺伝子をクローニング、解析した。XPA蛋白は障害DNAに特異的に結合し、XPC蛋白はリン酸化により活性化され一本鎖DNAに結合する事が明らかとなり、XPG蛋白はヌクレアーゼ活性に関わる事が示唆された。その他、DNA塩基欠落の修復に関わるAPEXヌクレアーゼ、(6-4)光産物に結合する新しい光回復酵素、アルキル化剤によるDNA障害を修復するO^6メチルトランスフェラーゼ(MGMT)、活性酸素により生じる8-オキソグアニンを取り除く8-oxo-dGTPase等の構造と機能に関し解析が進行した。2)遺伝情報維持の制御機構を明らかにする上でin vitroでDNA修復機構を再構築する事が重要だが、紫外線照射したSV40ミニ染色体を鋳型とし、ヒト培養細胞の粗抽出液を用いてDNA除去修復反応を検出する無細胞系を確立した。DNA除去修復に関わるDNAポリメラーゼβ、PCNAの発現調節機構を明らかにし、魚類光回復酵素遺伝子が可視光や活性酸素によって発現誘導される事を明らかにした。3)遺伝子ターゲッティング法によりXPA遺伝子を欠損したマウスを樹立した。このマウスはDNA除去修復能が欠如し、紫外線や種々の化学発癌剤に高感受性を示し、皮膚にジメチルベンツアントラセン(DMBA)を塗布すると、早期に高頻度でパピローマが出現し、XP患者に認められる高発癌性の良いモデルになる事が示唆された。
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