研究課題/領域番号 |
05301065
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
芹田 健太郎 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (60031449)
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研究分担者 |
横川 新 成城大学, 法学部, 教授 (30054498)
栗林 忠男 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (60051455)
川島 慶雄 大阪大学, 国際公共政策, 教授 (50028007)
安藤 仁介 京都大学, 法学研究科, 教授 (20026777)
中村 道 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (60032710)
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キーワード | 国連海洋法条約 / 実施協定 / 海底資源開発 / 海上交通 / 海洋環境保全諸条約 / 排他的経済水域 / 大陸棚条約 |
研究概要 |
我々は、「国際海洋法に関する日本の国家実行の総合的・系統的研究」に対して、海底資源開発・利用に関する実行の実態の分析、海上交通に関する国内法制と国際法制の交錯とその問題点、海洋環境保全諸条約と日本および各国の国家実行の比較検討、排他的経済水域をめぐる法意識ならびに漁業条約交渉にみられる国家実行の分析、大陸棚条約および日韓条約の運用と日本の国内法制・判例の動向、海峡および島に関する日本の国家実行の調査および分析の6側面からアプローチすることにし、研究にとりかかった。 現在、この分野の最大のトピックは、1993年11月16日にガイアナが国連事務総長に国連海洋法条約の批准書を寄託したことにより、締約国数が60に達し、94年11月16日に同条約が発効したことである。日本は同条約を批准していないし、これまで発効もしていなかったにもかかわらず、我々の調査では、これまで日本は旧ソ連等との漁業交渉においては、すでにこの条約の排他的経済水域に関する条文を基にして行ってきたようである。しかし、深海低資源に関しては、日本は同条約に調印したものの、必ずしも全面的に満足しているものではなく、その意味で、同条約の発効は、米国とはまた違った文脈ではあるが、日本に難しい対応を迫っている。同条約の深海低資源の部分については、我々の研究調査の最終年の94年6月現在、政府において検討・外交交渉中であり、同条約に沿った検討を我々としても見直し中であったところ、同月末には同条約第11部の実施のための協定文が採択・公表された。同年11月16日の同条約発効の時点で、日本は外務大臣談話を発表し、国内法の整備に要する時間を考慮して、96年の通常国会に同条約と実施協定を提出する予定で政府部内での準備作業をすすめていることが明らかになった。我々の研究もそれを睨みながら継続せざるをえないが、そのためにもこれまでの調査研究の基礎資料(「戦後日本の裁判所における海洋法判例」と「戦後海洋法文献目録」)を報告し、外務省海洋課長伊東喜昭氏の「今後の日本と海洋法条約」を我々のこれまでの調査研究と方向を同じくするものとして取り上げておきたい。
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