研究課題/領域番号 |
05401009
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
圭室 文雄 明治大学, 商学部, 教授 (90061902)
|
研究分担者 |
根本 誠二 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (10250995)
宇佐美 正利 明治大学, 商学部, 講師
渡 浩一 明治大学, 誠治経済学部, 講師 (00184002)
林 雅彦 明治大学, 法学部, 教授 (30139448)
孝本 貢 明治大学, 商学部, 教授 (60101333)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
キーワード | 高野聖 / 遊行迴国 / 行墓 / 絵解き / 勧進 / お札くばり / 参詣講 / 山伏 |
研究概要 |
平成5年〜6年度にかけて本研究は、江戸時代の民衆が霊場といわれる社寺に参詣した様子を史料で裏付けるため、調査研究を行ない、大きな成果をうることが出来た。 調査対象地としたのは、社寺参詣の有力な霊場である金毘羅(香川県)・東大寺(奈良県)・高野山高室院(和歌山県)・善光寺(長野県)・羽黒山(山形県)である。 いずれの地域においても史料はほとんど未整理の状況であったが、まず史料整理・目録作成をし、さらに史料を検討し、主要なものを影撮し、印影をした。 特色ある史料をあげてみると、檀家帳、壇廻帳、登山帳、壇廻日並記、日牌月牌帳、 勧進帳などであり、いずれの地域にも残されており、今後これらの史料の分析によって社寺参詣の実態が構造的に把握できると思う。江戸時代の庶民の生活における宗教は、民衆にとっては年中行事や農事暦、あるいは人生の通過儀礼と重なりあってとらえられていることがわかる。 今回は多くの調査の中から、香川県金刀比羅宮に伝存されている「金刀比羅宮崇敬講社講帳」の目録を報告書として提出した。 江戸時代以降の金毘羅信仰が、全国各地に講を作り、民衆の信仰と切りはなすことができなかったことが明らかに出来る史料である。 本報告書は約7300点の講帳を整理したものであり、北海道〜九州に至る全国各地に金毘羅講が存在したことを示すものである。 特に明治元年の神仏分離令によって、仏教的建築物や御師の還俗などによって解体させられた金毘羅講を再成編していく過程が詳細にわかる史料である。この研究成果は、学会に大いに利用され寄与するものである。
|