1)π電子系の関与した環化反応 ベンズアミド1と2当量のn-BuLiとの反応により生成するジリチオ体2を常温常圧下一酸化炭素と反応させた後、系をH_3O^+で処理したところ環化生成物であるイソインドリノン誘導体が73%の収率で得られた。本反応では、π電子系を利用したアシルリチウム3のケテン中間体4への変換が鍵過程となっている。 2)窒素の脱離を伴うYodateへの変換反応 トリメチルシリルジアゾメタンとn-BuLiとの反応により調製したリチオシリルジアゾメタン6を-78度、常圧下一酸化炭素と反応させた後、系をEt_3DSiOTfで処理するとジシリルケテン85%の収率で単一生成物として得られた。この反応はカルボニルリチウム7の発生後、窒素の脱離を伴いynodate8が生成し、これがEt_3DSiOTfにより炭素側で捕捉され生成物に至ると考えている。
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