研究課題/領域番号 |
05404022
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
細田 泰弘 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051218)
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研究分担者 |
岸田 由起子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40204854)
亀山 香織 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10245467)
倉持 茂 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70137991)
秦 順一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
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キーワード | 肺区血圧症 / 三次元再構築 / 肺動脈 / Plexiform lesion / モノクロタリン / エンドセリン‐1 |
研究概要 |
人体病理学的検討として、原発性肺高血圧症の剖検例の肺を用い、三次元画像処理システム(OZ,Rise)を使用した肺動脈系の立体的再構築を行い、以下の所見が得られた。1)Plexiform lesionおよび線維性内膜肥厚の多くは、外径100〜150μmの分枝に生じており、また母枝から分枝した直後から生じていた。特に、plexiform lesionは母枝より垂直方向へ分枝する枝に好発していた。2)plexiform lesion末梢側には壁の薄い内腔の拡張した動脈が認められた。その一部は細気管支壁周囲に達していた。3)病変部を経ずに末梢域に到達可能な血流ルートはごくわずかであった。 実験病理学的検討として、5‐HTと並ぶ強力な血管収縮物質であり、5‐HTに対する肺血管反応性を亢進させる作用も知られているエンドセリン‐1(ET-1)に着目した。高感度サンドイッチエンザイムイムノアッセイ法によりモノクロタリン(MCT)投与ラット血漿中並びに肺組織中ET‐1濃度の経時的定量を行ったところ、MCT投与ラットでは血漿中・肺組織中いずれにおいてもET‐1濃度の有意な上昇を認めた。ET‐1は心不全に伴って上昇するが、本実験系では、ET‐1濃度は心不全の指標である右室拡張期圧よりも平均肺動脈圧および右室肥大の程度とよく相関した。これにより、ET‐1の肺動脈5‐HT収縮促進作用や血管平滑筋増生作用が、肺高血圧症に対し病因的意義を有する可能性が示唆された。
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