研究課題/領域番号 |
05404048
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川内 基裕 東京大学, 医学部(病), 講師 (00152918)
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研究分担者 |
吉竹 毅 埼玉医科大学, 総合医療センター, 教授 (60010261)
岡 輝明 東京大学, 医学部(病), 助手 (60177029)
松本 順 東京大学, 医学部(病), 医員
竹田 誠 東京大学, 医学部(病), 助手 (10236482)
中島 淳 東京大学, 医学部(病), 助手 (90188954)
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キーワード | 異種移植 / 異種心臓移植 / 異種肺移植 / 日本猿 / ヒヒ / 霊長類 / T細胞 |
研究概要 |
平成5年度は計画どおりconcordant異種心臓移植とconcordant異種肺移植を行った。体重4.2kg-10.6kgのヒヒをdonor、体重5.6kg-15kgの日本猿をrecipientとして6回の腹腔内異種心臓移植を行い、日本猿間(体重6.5-11.8kg)で行った6回の同種腹腔内心臓移植と比較した。両群とも免疫抑制剤は使用しなかった。同種移植心は8、8、9、9、12、13日生存した。拒絶された心臓の病理組織学的検索ではすべての同種心臓に単核球の浸潤が認められた。異種心臓は3頭でhypcracute rejectionされ、3頭では3、5、7日生存した。末梢血のリンパ球分画の検討により、同種移植と異種移植とでは移植後のリンパ球分画の変動が異なるものの異種心臓拒絶にもTcellリンパ球が重要な役割を果たしていることが判明した(1993年9月、英国Cambridgeにおける第2回国際異種移植会議で発表。)日本猿をdonor、ヒヒをrecipientとして3回のconcordant異種肺移植を行った。免疫抑制剤の投与は行わなかった。移植肺は移植後2-3日以内に胸部X線写真上完全に不透明化した。病理組織学的検索では、移植肺は著明な出血梗塞、感染像を呈していた。移植肺に浸潤している細胞、特にB細胞の染色性を検討した。B細胞はL26、Leu16、L26、LN1の染色性は弱く、LN2は染色性は勝っていたものの特異性に問題があった。日本猿間の同種肺移植においてはB細胞の染色にはL26、CD20が優れていたのとは異なる結果が得られた。(1994年1月、日本肺及び心肺移植学会にて発表)。 以上、本年度は予定どうり免疫抑制剤を用いないconcordant異種心臓移植、異種肺移植を行い拒絶反応の様式について検討を加えた。次年度は免疫抑制剤を用いた異種移植における検討を行う予定である。
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