研究課題/領域番号 |
05404048
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川内 基裕 東京大学, 医学部(病), 講師 (00152918)
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研究分担者 |
吉竹 毅 埼玉医科大学, 総合医療センター, 教授 (60010261)
岡 輝明 東京大学, 医学部(病), 助手 (60177029)
宮地 鑑 東京大学, 医学部(病), 助手
竹田 誠 東京大学, 医学部(病), 助手 (10236482)
中島 淳 東京大学, 医学部(病), 助手 (90188954)
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キーワード | 異種移植 / 異種心臓移植 / 異種肺移植 / 日本猿 / ヒヒ / 霊長類 |
研究概要 |
平成7年度は昨年度に引き続き異種心臓移植異種肺移植の慢性生存実験を行い、異種臓器移植慢性期における拒絶反応と診断方法、そして拒絶反応の治療法を検討した。まず、Concordant異種肺移植に際しての、移植前免疫抑制療法、移植後の拒絶反応、拒絶反応に対するRescue Therapy等に伴う末梢血リンパ球分画の変動をflowcytometryを用いて検討した。これにより術前の脾臓摘出ならびにFK506投与開始から異種肺移植までの最適期間が検討され、4日間の間隔が必要でかつrecipientに与える障害が少ないことが明らかにされた。さらに、開胸肺生検により採取された異種移植肺、拒絶された異種移植肺を免疫組織染色して検討中である。 また、同種移植肺拒絶反応、異種移植肺拒絶反応の対象となる肺血管系の差異を拒絶肺の病理組織学的検索により検討した。そして、同種心肺移植における拒絶反応の標的血管が100-300μの肺静脈であること、実験的Concordant異種肺移植においては、拒絶反応は100μ以下の小肺静脈において最も高度であるという結果を得た。このように、移植肺拒絶反応の対象となる組織が同種移植と異種移植で異なることを確認し、第4回アジア移植学会報告した。 大動物実験の予定はこれまでのところ当初の計画通り進行して来たといえる。さらにHematoxylin-Eosin染色等の一般染色法を用いた病理組織学的検討も予定通り進行し、第3回国際異種移植シンポジウム等でその成果を発表してきた。平成8年は、引き続いて異種心臓移植実験を行い、平成5年、6年、7年の結果を基にして、concordant異種心臓移植、異種肺移植における異種組織拒絶反応の同種移植拒絶反応との相違を明らかにすると共に、concordant異種心臓移植、異種肺移植において有効な免疫抑制療法の確立を試みる。
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