研究課題/領域番号 |
05451012
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金田 晉 広島大学, 総合科学部, 教授 (50034591)
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研究分担者 |
安西 信一 広島大学, 総合科学部, 講師 (50232088)
古東 哲明 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10153777)
成定 薫 広島大学, 総合科学部, 教授 (50110466)
原 正幸 広島大学, 総合科学部, 教授 (10092305)
水島 裕雅 広島大学, 総合科学部, 教授 (10034597)
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キーワード | 表現 / アイコニシティ / アイコニスム / 意味作用 / 万年歌守 / 擬声語 / 現象字 / 自然音響 |
研究概要 |
前年度に引き続き、言語構造におけるアイコニシティの特性について、世界の学的研究状況を検討報告(金田)。文学において、比較文学の立場から、「青空」をテーマに意味的空間の創出と合わせて、詩人が生活体験から刷り込んでゆくアイコニカルな契機を剔出(水島)。ドイツ中世都市における諸芸術の共生関係を広島という都市創造に重ね合わせて、都市的空間における創造的契機とアイコニカルな契機の複合構造を論じた(斎藤)。フェノロサに影響のもと近代日本画の確立に尽くした狩野芳崖の画蹟をたどりながら、日本画の近代様式における意義構造とアイコニカルな関係を探った(永田)。「庭園」のイギリス風様式と日本近世風様式を比較しながら、土地、気象、風土よりくる条件と造形感覚および意味付与的意識が作り出す諸層の重層的構造を論じた。 アイコニシティは創造と模倣の対立図式においては模倣、革新と伝統の対立図式においては伝統に所属する。しかし模倣も伝統も勝義には意義的行為であり、なおアイコニシティに及ばない。アイコニシティは、現象学においてはハビツアリテート(慣習性)、身体性の発露として理解すべきであろう。想像力が身体を介した意識活動である以上、すべての想像力にはアイコニカルな要素があると言えよう。その意味から言えば、アイコニシティは意識的能産活動は論弁的意識から芸術的意識への転換の鍵を握っている。 なお、本研究グループは、本科研費によるテーマ研究と関連させ、また全国の美学研究者の協力を得て、論文集『諸芸術の共生』を出版した(渓水社刊)。本科研費により美学の共同研究が広島において定着しつつあることは、特記できると自負している。
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