研究課題/領域番号 |
05451012
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金田 晋 広島大学, 総合科学部, 教授 (50034591)
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研究分担者 |
安西 信一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50232088)
古東 哲明 広島大学, 総合科学部, 教授 (10153777)
成定 薫 広島大学, 総合科学部, 教授 (50110466)
原 正幸 広島大学, 総合科学部, 教授 (10092305)
水島 裕雅 広島大学, 総合科学部, 教授 (10034597)
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キーワード | 表現 / アイコニシティ / 意味 / 美学 / 芸術 |
研究概要 |
1.過去2年間、本研究課題における表現の構造をアイコニシティと意味作用の両面において考察を深めてきた。言語表現については、擬音語、擬声語という写像性、アイコニシティの研究はずいぶんすすんでいるが、芸術全般の表現作用にどれほど有効性をもつかをが、われわれの課題であった。文献資料については、既刊書はほぼ集めることができたので、雑誌論文等の収集整理をおこなった。 2.研究会を定期的に開催し、分担者の研究成果を報告する一方、随時各自のえた関連情報の交換をおこなった。 3.各自が引き受けた役割分担の分野、美学、文学、音楽、西洋古典学、美術史学、倫理学、風景論、言語哲学において関連の資料の整理をおこなった。 4.研究課題を表題とした研究報告書をまとめ、刊行した。分野は美学、哲学、倫理学、西洋古典学、音楽学、文学、演劇学にまたがっている。掲載論文はいずれも400字詰原稿用紙に換算して40枚以上の力作であり、たんなる研究報告以上の実証性に裏づけられた問題提起となっている。 5.研究の成果の内容は上記報告書にゆだねるが、芸術ジャンルの中に、言語作品のように意味性の強いジャンルと音楽のように非対象性の強いジャンルにおいて、意想外にアイコン的要素が重要な役割をしめ、逆に絵画のように本来アイコン的要素が前面に立つジャンルにおいても意味的要素がきわめて本質的な役割を演じてきたことが、明らかにできたかと思われる。これはまた19世紀末にはじまる表現美学にロマン主義思潮以前の基調であった写像美学を取り込み、新しい表現論の可能性を示唆することになった。
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