研究課題/領域番号 |
05451012
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金田 晉 広島大学, 総合科学部, 教授 (50034591)
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研究分担者 |
安西 信一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50232088)
古東 哲明 広島大学, 総合科学部, 教授 (10153777)
成定 薫 広島大学, 総合科学部, 教授 (50110466)
原 正幸 広島大学, 総合科学部, 教授 (10092305)
水島 裕雅 広島大学, 総合科学部, 教授 (10034597)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 表現 / アイコニシティ / 意味 / 美学 / 芸術 / 類像性 |
研究概要 |
20世紀芸術の鍵概念は表現である。美学においてもディルタイ、クローチェ、現象学派の美学、ホワイトヘッド等の英米学派はいずれも表現を基底にすえた理論を打ち立ててきた。われわれの研究集団はこの表現に焦点を当てて、10年来共同研究をすすめてきた。象徴と比喩、表現と解釈、表現の主観性と間主観性などが代表的テーマであった。 今回の研究主題は表現の内的構造を明かにすることを目指してきた。R.ヤコブソンの提唱によって、言語構造のダイナミズムに新たな光が当てられた。つまり近代言語学において言語は指示性と意味性の2契機から成るとされたが、第3の契機としてアイコニシティ(類像性)が加えられ、言語運用の場面において社会意識を写し出す契機として注目されることになった。 本研究の課題は、この言語表現の基本図式を芸術全般の表現構造に適用せんとすることであった。研究分野は、美学、哲学、倫理学、西洋古典学、言語学、文芸学、音楽学、美術史学、演劇学、 庭園美学の広きにまたがるものであった。 芸術ジャンルには、意味性の強い文芸、時間の直接表現としての音楽を一方対極に、類像性の強い絵画、彫刻等の造形美術が対極にある。いずれのジャンルにも、だが多かれ少なかれ、この両方の契機が働いていることが確認された。しかし重要なことは、表現行為の底に社会意識があるということであり、そこを明かにしなければ表現のもつ本来の力が見えてこないということであった。
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