研究課題/領域番号 |
05453201
|
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
高井 康雄 東京農業大学, 農学部, 教授 (40011796)
|
研究分担者 |
後藤 逸男 東京農業大学, 農学部, 助教授 (60130308)
木村 真人 名古屋大学, 農学部, 教授 (20092190)
|
キーワード | 化学肥料 / 堆肥 / 資源循環 / 水田 / CEC / 粗大有機物 / 持続性生産 |
研究概要 |
平成6年度は5年度に引き続き、タイのピサノロ-ク水稲研究センター及び安城水田技術実験農場の水田圃場を対象として、化学肥料、稲藁堆肥及び石灰を連用している各試験区の土壌断面調査、各層位土壌の試料採取、水稲収量の解析、土壌の化学分析などを実施した。5年度の結果と総合して考察すると、次のように要約できる。 1)いずれの水田においても、堆肥の連用は作土層の厚さを高めることが示された。 2)堆肥の水稲収量への影響は、タイの水田においても、日本の水田においても、試験開始当初においては増収効果がほとんど認められなかったが、その後年次に伴い、増収効果が現れることが明らかにされた。化学肥料の増収効果は中、細粒質水田においては試験開始当初から認められたが、粗粒質水田では当初全く認められず、中、後期漸次その増収効果が現れた。 3)タイの三水田においては、全炭素量と陽イオン交換容量CECの間に高い相関性が示された。堆肥連用による有機物供給量の増大また化学肥料連用による植物遺体添加量の増大に基づき、これらの処理が土壌有機物量を増加させてCECを高め、これが化学肥料の損失防止に寄与し、中後期水稲を増収させる原因になっていると考察した。堆肥と化学肥料の併用は、土壌有機物量を顕著に増大させ、水稲を多収させることが示された。 以上を総合すると、温帯水田においても、熱帯水田においても、堆肥及び化学肥料の連用、とくに両者の併用は、土壌有機物量、CEC、交換性塩基などの地力特性を向上させ、水田土壌の持続性高位生産に寄与することが示された。
|