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1995 年度 実績報告書

植物ウイルスの宿主特異性に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05454062
研究機関九州大学

研究代表者

高浪 洋一  九州大学, 農学部, 助教授 (50243944)

研究分担者 古屋 成人  九州大学, 農学部, 助手 (10211533)
松山 宣明  九州大学, 農学部, 教授 (40108676)
キーワードキュウリモザイクウイルス / 感染性転写RNA / 宿主特異性 / 分子生物学 / pseudorecombination
研究概要

1.前年度までの結果から,ダイコンから分離したCMV-D8とタバコから分離されたCMV-Yの間にダイコンにおける感染増殖能に差があることが明らかになっている。そこで,ダイコンへのカブモザイクウイルス(TuMV)とCMV両系統との混合接種試験を行い,病徴観察ならびにimmuno-tissue blotting法による各ウイルスの組織レベルにおける感染増殖能を比較した。単独接種では高濃度のCMV-Yを接種しても全身感染することは極めて希であったが,TuMVとの混合接種では容易に全身感染し,激しい病徴を生じた。しかしながら,TuMVとの混合接種であってもCMVの接種濃度が低い場合には,CMV-YはCMV-D8と比較して全身的な増殖が顕著に劣る傾向が認められた。CMV-D8はTuMVの増殖に有無に関わらずほぼ全葉で増殖したのに対して、CMV-Yの増殖はTuMVの増殖が明瞭な部位のみで認められた。このことから,CMV-YはTuMVと混合感染することによってダイコンにおける細胞間移行ならびに全身的移行が助けられると結論された。
2.1994年,熊本県においてモザイク症状を示すメロンからCMV-KMを分離した。このウイルスを各種ウリ科植物に対して接種したところ,CMV-KMがラゲナリア属植物に対しても全身感染能を有することが明らかとなった。そこで新たにCMV-KMのRNA1〜3の完全長cDNAクローンを有するプラスミドベクターを構築し,既存のCMV-YのcDNAクローンとの間にin vitro転写系を利用してpseudorecombinantsを調製し,ヒョウタンに接種試験を行った。病徴観察ならびに血清学的検査の結果,CMV-KMのRNA3を含む組み合わせがCMV-KMと同様に激しい全身モザイク,奇形ならびに萎縮症状を誘導した。このことから,CMV-KMのRNA3はラゲナリア属植物におけるウイルスの全身移行・増殖に重要な役割を持つと結論された。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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